北海道・帯広で農業を営むオオネ道下農業様。
そこで働く1号特定技能外国人は、今後来日予定の方を含めて全部で26人。
来日5年目の3人と、2期生として来日したばかりの6人に、座談会形式でインタビューさせていただきました。仕事のこと、故郷の家族のこと。日本で働く外国人の彼らが語るリアルな言葉をお届けします。
タレントアジア
1号特定技能外国人として働いている9名のうち3名の方は、他社で技能実習を経験し、今回特定技能に移行したとのお話でしたね。彼らがその1期生ということですね。
廣田さん
そうです。彼らは、会社が用意したこちらの3LDKの寮で3名ずつ共同生活をしています。
タレントアジア
何か料理をしていますね。何を作っているんですか?
ロクマンさん
これは唐揚げとテンペです。
タレントアジア
テンペって、豆腐みたいなものですよね。
これ、インドネシアではよく食べるんですか?
(テンペ:大豆などをこうじの一種「テンペ菌」で発行させたインドネシア伝統の発酵食品。)
ロクマンさん
よく食べます。サンバルも自分たちで作ります。トウガラシいっぱいありますよ。
(サンバル:インドネシアやマレーシア料理に欠かせない辛味調味料。トウガラシや玉ねぎ、にんにくなどを使って作る。)
タレントアジア
サンバルも自分たちで作るんですか、すごいですね!料理は毎日しますか?
ロクマンさん
毎日はしない。1週間に3日くらいです。毎日は面倒くさいから。(笑)
タレントアジア
今は大根農場の仕事をしていますが、大根は日本に来て初めて食べましたか。
ナダさん
初めて食べました。
タレントアジア
初めて食べた時どうでしたか?おいしかったですか?
ナダさん
おいしいです。
タレントアジア
3人は、インドネシアのどこの出身ですか?
ナダさん、エルマーさん、エルミさん
ジャワ。東のほうです。
廣田さん
(彼ら同士は、来日する前の)学校が一緒だったの。
タレントアジア
そうなんですね!学校が一緒で、今はルームメイトなんですね。
一緒に住んで何年くらいですか?
ナダさん
1年くらいです。
タレントアジア
今、皆さんは何歳ですか?
ロクマンさん、バユさん、ザムさん
26歳、27歳、28歳です。ザムさんは先週誕生日でした。
タレントアジア
そうなんですね、おめでとうございます!誕生日はルームメイトで誕生日パーティーをしたんですか?
バユさん
他の部屋の仲間たちもみんなで、この部屋に集まってパーティーしました。
タレントアジア
楽しそうですね!
この日の料理当番 ナダさん:自分が収獲した大根をもらって、初めての大根料理に挑戦。お醤油ベースの味付けに唐辛子などのスパイスを加えてインドネシア風大根の煮つけの完成!日本に来て初めて食べた大根も料理のレパートリーに仲間入りです。
実家が農業をやっていて、自分も農業をやろうと考え、来日しました。
もっと日本で働きたい、と思った。
タレントアジア
なぜ特定技能で働こうと思ったのですか。
バユさん
実家が農業をやっていて、自分も農業をやろうという考えで技能実習生として来日しました。
日本で働いてみて、自分ができることで日本に残りたい、と思ったので、特定技能の農業で働くことにしました。
タレントアジア
技能実習生として来日した皆さんは、3年以上働いていた経験があって、さらに日本で働き続けたいと考えたのですね。
どうして、日本の中で北海道という場所を選んだのですか?
バユさん
特に北海道という場所にこだわりがあるわけではありません。技能実習生として最初に来た場所が北海道でした。
北海道に来て技能実習生として働いて、エリアはそのまま違う会社(オオネ道下農業)で特定技能になりました。
タレントアジア
これから先、何年くらい日本で働きたいですか?
ロクマンさん
できるだけ長く日本で働きたいです。
タレントアジア
今回特定技能として初めて来日した皆さんは、いま何歳ですか?
アリさん、アブドゥルさん、エンドラさん
20歳、22歳、21歳です。
タレントアジア
インドネシアで農業をしたことがありますか?
アリさん
私はインドネシアで農業をしたことがあります。父と母が農業を仕事にしています。
タレントアジア
ご両親はどんな野菜を作りますか?
アリさん
きゅうりとか、トウガラシとか、いろいろな作物を育てています。
アブドゥルさん
自分もアリさんと同じで、家族が農業をしています。農業は面白いです。
エンドラさん
私の父と母も農業をしていて、私も農業をしたことがあります。いろいろな野菜や、コメを作ります。
タレントアジア
日本のコメとインドネシアのコメは違いますか?日本のコメは食べますか?おいしいですか?
アリさん、アブドゥルさん、エンドラさん
日本のコメとインドネシアのコメは違います。日本のコメを食べますよ。おいしいです。
タレントアジア
仕事が休みの日はどんな風に過ごしていますか?
ザムさん
休みの日は、スーパーに買い物に行ったりします。
帯広は、遊びに行く場所はあまりないので、家でルームメイトとゲームをしたり、ギターを弾いたり、料理をして過ごしています。
休みの日は、普段より手の込んだ料理にも挑戦します。
タレントアジア
たくさんお話聞かせていただきありがとうございました。今後のお仕事もぜひがんばってください。
※掲載内容は2022年8月時点のものです。
【取材後記】
オオネ道下農業で働く上での約束のひとつである「ケンカをしない」が実践されている寮生活を拝見させていただき、インドネシアからやってきた若者が、自分のことだけでなくルームメイトのこと、先輩・後輩のことを尊重し、協力して生活している様子は、とてもたくましく、立派だと感じました。言語も文化も宗教も異なる地で、自分なりの楽しみや目標を見つけて働きながら成長していくのは、さまざまな葛藤や悩みも抱えてきたと思いますが、必死にそれを乗り越えて今があるのだと思います。2021年から、それまでの中国からの技能実習からインドネシアからの特定技能に大きく路線変更を行ったオオネ道下農業さまですが、これからますますインドネシアの特定技能人材が活躍し、日本一の大根農家として日本の食卓を支えてくださることに期待しています。