自社で働いている外国人従業員に継続的な活躍の機会をつくるため、特定技能制度のことを知ることから始めてみませんか?
㈱オーイズミフーズ様は、創作居酒屋「わん」をはじめ、国内約340店舗、海外3店舗を展開しています。30年以上、居酒屋業態を主軸に、イタリア料理、焼き肉、ラーメンなど多様な業態での拡大を続けています。
オーイズミフーズ様では、特定技能外国人の採用について、制度が施行された2019年から社内で準備を進めてきました。2022年9月現在、同社では15名の外国人の方が特定技能社員として活躍しています。
オーイズミフーズ様で働く15名の方のほとんどが、人材紹介会社を通して応募・面接・内定をしています。中には、かつて日本に住んでおり、応募時点ではネパールに住んでいたが、就職が決まり再度日本に来日したという方も。ひと口に「特定技能」の資格で働く外国人社員と言っても、様々な流れで働くことになる方がいらっしゃいます。
オーイズミフーズ様では、特定技能制度が施行される2019年以前からアルバイト等で外国人の方を採用していました。外国人の方が日本で働くためにはそのための「在留資格」が必要となり、それには期限があります。また、日本人アルバイトと異なる労働時間の上限管理を店舗で行う負担が大きいなど、管理面での不安要素があることや、調理や接客で経験を積み、技術のある人材が流出してしまうことが懸念としてありました。
会社として、各店舗の人手不足解消や今後の事業の拡大を検討したときに、従来の日本人従業員と留学生アルバイトだけでは安定的な人員確保は難しいと考え、外食の店舗従業員としてフルタイム雇用できる初めての在留資格『特定技能1号』の外国人社員を積極的に採用していくことにしました。
特定技能人材を雇用するには、外国人社員の仕事や生活をサポートする「支援業務」が必須と定められています。外部の「登録支援機関」や行政書士に依頼する場合もありますが、外国人を雇用する企業が自社で行うことも可能とされています。
オーイズミフーズ様では、当初は登録支援機関に支援を委託していました。支援をおまかせできるという楽さや安心はあったものの、登録支援機関を間に挟むことで、入管への手続きにタイムラグが生じることや、特定技能1号の外国人社員との関係性が深まりにくい、というお悩みがありました。
また、人事部の社員の方をはじめ、実は社内に外国人社員の受け入れや雇用の経験があるメンバーがいることに加え、外国籍で通訳人材となれるメンバーが在籍しており、十分に自社支援できる条件が揃っていることが分かり、「それなら!」と思い切って自社支援に切り替えることにされたそうです。
特定技能人材の支援業務を自社で行うことに決め、人事部の方を「支援責任者」として、入管(出入国在留管理庁)に届出をされました。そして、支援計画書の項目に基づいて、社内の誰が、どの支援を担当するのかを決め、自社支援が行える体制を整えられました。
それまで、支援は登録支援機関に、入管申請・届出は登録支援機関経由で行政書士に委託されていましたが、今回支援を内製化するに伴い、入管申請・届出も内製化することにし、その際に必要となる在留期限の管理や、提出書類の作成、定期的な面談などを自社でカバーするため、TalentAsiaシステムを導入いただきました。
雇用する側にとっても、働く側にとっても非常に重要な在留期限の管理や、在留資格に関連する情報、各種申請・届出の管理が安心してできるようになったそうです。
様々な経歴を持つ外国人を、社員として雇用し、会社としてきちんと仕事や生活のサポートをすることで、外国人社員の帰属意識や目標意識の高まりも期待できます。
オーイズミフーズ様では、勤務地の家賃相場に合わせた家賃手当の支給など、外国人社員の立場に立ったサポートを行っています。自社支援にしたことで支援責任者・支援担当者と特定技能1号の社員とのコミュニケーション機会が増え、信頼関係も深まっているようです。こういった、ハード面・ソフト面、両面での安心できるサポートが、教えた仕事や技能の流出を防ぐことにも繋がっていくでしょう。
特定技能制度は施行から3年以上が経過し、様々な採用方法、支援の仕方など、可能性が広がってきました。外国人従業員に今後も長く活躍してもらえるよう、雇用する側は1つのやり方にこだわるのではなく、様々な可能性を検討し、制度を正しく、最大限に活用していくことで、会社を一緒に支えてくれる新しい人材の活用につながります。
オーイズミフーズ様では、現在働いている留学生アルバイトの中から特定技能での就職希望者が出てきており、特定技能制度を自社の人事計画に加えてから約2年半で社内登用による人材獲得の道が開けてきたと言えます。
自分が働くアルバイト先に特定技能1号として働く社員が現れたことで、「私もこのままアルバイト先に就職しようかな」「特定技能1号で就職するという道もあるのか」という、新しい流れが生まれつつあるようです。